カスターニョ・デイ・チェント・カヴァッリ(百頭の馬の栗の大樹)
カスターニョ・デイ・チェント・カヴァッリ(百頭の馬の栗の大樹)

年の五月にシチリアを訪問したスコットランドの作家パトリック・ブライドンはカスターニョ・デイ・チェント・カヴァッリの壮麗な姿に驚愕し、それを「植物界の稀有な現象」と形容しました。ヨーロッパ最古の樹木として知られていますが、「自然の生命力の象徴」として2008年にユネスコが「平和文化の使者である記念物」に認定しました。

カスターニョ・デイ・チェント・カヴァッリはレジデンス「ナーケー」に近隣するエトナ山自然公園内の情緒豊かなサンタルフィオ市にあり、著名なトリノ大学の植物学者ブルノ・ペイロネルによりますと樹齢は3000年から4000年に及びます。

老樹の名前の由来は、王妃ジョヴァンナと彼女の御付きの百数人の騎士が全員その下で雨宿りをできたという古い伝承です。王妃ジョヴァンナとはアラゴン朝とアンジュー朝の二人の王妃がいますが、どちらであるかは定かではありません。実はシチリアに訪れた歴史的な証拠は二人とも残っていません。それでも、この大樹の数千年に及ぶ樹齢の魅力と豊かな生命力は世界各国からの観光客と植物学者を引き寄せ続けています。

 

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